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テニスラケットがオフセンターで当たり負けする理由|面ブレを防ぐツイストウェイトとは?

テニスラケットの面ブレとツイストウェイト|オフセンターで当たり負けしない選び方

テニスをしていると、ラケット選びでよく気になるのが「飛ぶかどうか」や「スピンがかかるかどうか」です。

しかし、ラケットを色々試していると、もっと重要かもしれないと思う要素があります。

それが、オフセンターで打ったときに当たり負けしないかです。

ど真ん中で打てたときは、正直どのラケットでもそれなりに気持ちよく飛びます。問題は、リターンで少し詰まったとき、ボレーで芯を外したとき、相手のスピンやスライスに弾かれたときです。

その瞬間にラケット面がグラッと負けるのか。それとも、多少芯を外しても面が残ってくれるのか。

ここが、実戦での安心感を大きく左右します。

目次

オフセンターで当たり負けしない要因は何か?

まず結論から言うと、オフセンター時の当たり負けは、1つの数値だけでは決まりません。

よく「RA値が高いラケットは硬いからブレにくい」と考えがちですが、これは半分正解で、半分違います。

当たり負けしにくさには、主に次の要素が関係します。

要素何に効くか重要度
フェイスサイズスイートスポットの広さ高い
ツイストウェイトオフセンター時の面の回されにくさ高い
スイングウェイト相手の球に押されにくいか高い
ラケット重量衝突時の安定感中〜高
フレーム厚・形状打感、弾き、安定感
RA値フレームのしなりにくさ
ストリング・テンション食いつき、弾き、衝撃吸収
打点・準備・スイング最終的な安定性とても高い

ここで大事なのは、RA値だけを見ても、オフセンターの強さは判断しにくいということです。

RA値は、ラケットを縦方向に押したときのフレームの硬さに近い数値です。打感の硬さ、弾き、パワー感には関係しやすいです。

ただし、ボールが3時側や9時側にズレて当たったとき、ラケット面が横に回されるようなブレに対しては、RA値よりもツイストウェイトのほうが直接関係します。

ツイストウェイトとは何か?

ツイストウェイトとは、簡単に言うと、ラケット面が左右にねじられにくい度合いです。

ボールがラケットの真ん中に当たれば、面はあまり回されません。
でも、フェイスの3時側や9時側にズレて当たると、ラケットはクルッと回されようとします。

このときに面が持っていかれにくいラケットは、ツイストウェイトが高いラケットです。

ツイストウェイト打ったときの感覚
13台前半芯を外すと面が負けやすい。操作性は出やすい
14台前半標準的。競技系98インチに多い印象
14台後半安定感が出やすい。扱いやすさとのバランスが良い
15台前半オフセンターに強め。100インチ系や安定系に多い
15台後半以上かなり面が残る。反面、重く感じる場合もある

https://web.archive.org/web/20260513071946/https://twu.tennis-warehouse.com/cgi-bin/twistweight.cgi

テニスウェアハウスのツイストウェイト表では(2000年以前の一部古いラケットを削除)、全487本の中央値が14.6前後でした。つまり、ざっくり言えば14.5前後がかなり標準的なラインと考えてよさそうです。

そのうえで、15.0を超えてくると「面ブレに強い側」、14.0前後だと「やや操作性寄り」、13台だと「かなりシビア寄り」と見てもいいと思います。

もちろん、これはツイストウェイト単体の話です。実際の打ちやすさは、スイングウェイトや重量、バランス、フレーム形状も一緒に見ないと判断できません。

実際のラケット例で見るツイストウェイト

リストから、気になるラケットをいくつか抜き出すと、かなり面白いです。

ラケットツイストウェイト
Yonex VCORE 9513.58
Yonex VCORE 95 202313.98
Yonex VCORE 95 8th Gen13.80
Yonex VCORE 98 202313.94
Yonex VCORE 98 8th Gen14.20
Yonex VCORE 100 202314.86
Yonex VCORE 100 8th Gen15.10
Yonex VCORE 100D 8th Gen15.50
Babolat Pure Aero 98 202315.40
Babolat Pure Aero 98 202615.30
Head Gravity Tour 202515.50
Wilson Blade 98 18×20 V914.69
Wilson Blade 98 16×19 V914.14
Tecnifibre TFight 305S15.20
Tecnifibre TFight 300S15.40
Yonex EZONE 98 202515.00
Yonex EZONE 100 202514.90

この表を見ると、同じメーカー、同じシリーズでもけっこう差があります。

たとえばVCORE系を見ると、VCORE 95は13台後半が中心です。かなりシャープで、芯で打ったときの気持ちよさはありそうですが、オフセンター耐性という意味ではややシビアです。

一方、VCORE 100やVCORE 100Dは15前後〜15.5です。
これはかなり面ブレに強い側です。

つまり、VCORE 95とVCORE 100Dは、同じVCOREという名前でも、オフセンター時の安心感はかなり違う可能性があります。

ツイストウェイトは何で決まるのか?

ツイストウェイトは、ざっくり言うと、ラケットの中心線から左右にどれだけ質量が離れているかで決まります。

数式で見ると、基本はこうです。

I = Σ m r²

Iがツイストウェイトに近い考え方です。
mは重さ。
rは中心線からの距離です。

ポイントは、距離が二乗で効くことです。

つまり、同じ1gでも、ラケットの中心近くにある1gより、3時・9時のように中心線から離れた場所にある1gのほうが、ツイストウェイトへの影響が大きくなります。

要素ツイストウェイトへの影響
フェイスサイズが大きい横方向に質量が広がりやすく、高くなりやすい
3時9時周辺のフレームが厚い高くなりやすい
3時9時に重量がある高くなりやすい
フレームが薄く小さい低くなりやすい
軽量モデル低くなりやすいとは限らないが、低いモデルも多い
ストリング込み重量影響する
バンパー・グロメットヘッド周辺なので影響する

ここで勘違いしやすいのは、ツイストウェイトはRA値そのものではないということです。

RA値はフレームのしなりにくさ。
ツイストウェイトは面が回されにくい度合い。

似ているようで、見ているものが違います。

フェイスサイズとツイストウェイトの関係

一般的には、95インチより100インチのほうがツイストウェイトは高くなりやすいです。

理由は、100インチのほうが横方向に広く、質量が中心線から離れやすいからです。さらにスイートスポットも広くなりやすいので、オフセンター時に楽に感じやすいです。

ただし、これは絶対ではありません。

たとえば98インチでも、Pure Aero 98 2023はツイストウェイト15.40です。
これは100インチ級どころか、かなり高い部類です。

一方で、100インチでも軽量モデルや設計によっては14前後のものもあります。

つまり、フェイスサイズは大事ですが、フェイスサイズだけで決めるのは危険です。

見方注意点
95インチ芯で打つ感覚は良いが、オフセンターはシビアになりやすい
98インチモデル差が大きい。競技系でもツイストウェイトに差が出る
100インチ基本は寛容だが、モデルによって安定感は変わる
100インチ超面ブレには強くなりやすいが、操作性とのバランスが課題

ラケット選びでは、フェイスサイズ、ツイストウェイト、スイングウェイトをセットで見るほうが、かなり実戦に近い判断ができます。

スイングウェイトとの違いも重要

オフセンター時の当たり負けを考えるなら、ツイストウェイトだけでなく、スイングウェイトも重要です。

スイングウェイトは、ラケットを振ったときの重さです。
簡単に言えば、相手のボールに対してラケットが押されにくいかに関係します。

ツイストウェイトとスイングウェイトの違いは、こう考えるとわかりやすいです。

指標主に効く場面
スイングウェイト前後方向に押されにくい。重い球に負けにくい
ツイストウェイト左右のオフセンターで面が回されにくい
RA値フレームのしなり、弾き、打感に影響
フェイスサイズスイートスポットの広さに影響

たとえば、相手の速いサーブをリターンするとき、ラケットが後ろに押されるように感じるなら、スイングウェイトや重量が関係している可能性があります。

一方で、ボールが少し横にズレて当たった瞬間に面が開いたり閉じたりするなら、ツイストウェイトの影響が大きい可能性があります。

この2つは似ていますが、別物です。

では、現状のラケットが好きならどうすればいいのか?

ここがラケット選びで一番現実的な話です。

今使っているラケットの打感、振り抜き、コントロール感が好き。
でも、オフセンター時に少し面が負ける。

この場合、いきなりラケットを買い替える前に、まず試したいのが3時・9時への加重です。

3時・9時に鉛を貼ると、RA値はほぼ変わりません。
フレームが硬くなるわけでもありません。

しかし、ツイストウェイトは上がります。

追加分は、ざっくり計算できます。

追加ツイストウェイト = 2 × m × r²

mは片側の重さ。
rは中心線から鉛を貼る位置までの距離です。

たとえば、3時・9時に1.5gずつ貼るとします。
中心線からの距離を12〜13cmとすると、ツイストウェイトの増加はだいたいこのくらいです。

片側の重さ合計重量12cmの場合13cmの場合
0.5gずつ1g約+0.14約+0.17
1.0gずつ2g約+0.29約+0.34
1.5gずつ3g約+0.43約+0.51
2.0gずつ4g約+0.58約+0.68
2.5gずつ5g約+0.72約+0.85

単位はkg・cm²のイメージです。

たとえば、VCORE 95 2023のツイストウェイトが13.98だとすると、3時・9時に1.5gずつ貼れば、理論上は14.4〜14.5前後まで上がるイメージです。

これは、かなり現実的な変化です。
ただし、VCORE 100Dの15.5のような高ツイストウェイト系に一気に変わるわけではありません。

つまり、3時・9時の加重は、今のラケットの性格を残したまま、オフセンター耐性を少し上げる方法です。

3時9時加重のメリットとデメリット

3時・9時に鉛を貼ると、面ブレには強くなります。
ただし、メリットだけではありません。

メリットデメリット
オフセンターで面が残りやすい振り抜きが少し重くなる
リターンでブロックしやすいヘッドが返りにくく感じる場合がある
ボレーで当たり負けしにくいサーブで遅れる可能性がある
95インチ系のシビアさを少し補える元の操作性が少し薄れる
ラケットを買い替えずに試せる貼りすぎると別物になる

個人的には、まず1.0gずつから試すのが安全だと思います。
変化をしっかり感じたいなら、1.5gずつも現実的です。

ただし、すでにスイングウェイトが高いラケットや、総重量が重いラケットに貼る場合は注意が必要です。

ツイストウェイトは上がりますが、同時にスイングウェイトも上がります。
面ブレは減ったけど、振り遅れが増えた。これだと本末転倒です。

ラケットを買い替えるべきパターン

今のラケットが好きなら、まずは3時・9時加重で試す価値があります。

ただし、以下のような場合は、カスタムよりラケット変更のほうが早いかもしれません。

状況対応
95インチが明らかに難しい98〜100インチを検討
リターンで毎回芯を外すフェイスサイズとツイストウェイトを上げる
ボレーで面が負ける3時9時加重、または高TWモデル
スイングが遅れる重くするより、ラケット変更を検討
打感は好きだが少しだけ不安1.0〜1.5gずつ加重
もっと楽に勝ちたい100インチ系の安定モデルも検討

95インチにこだわるのは楽しいです。
芯で打てたときの気持ちよさもあります。

ただ、実戦でリターンや守備のミスが多いなら、ラケットのやさしさを使うのも普通にありです。

「難しいラケットを使う=上級者」ではありません。
自分のプレースタイルや年齢、反応速度、体力に合ったラケットを選ぶほうが、結果的にはテニスが楽しくなると思います。

まとめ:ラケット選びは“面ブレしにくさ”も見るべき

オフセンター時に当たり負けしないラケットを選ぶなら、RA値だけを見るのは危険です。

見るべき要素は、フェイスサイズ、ツイストウェイト、スイングウェイト、重量、フレーム形状、ストリングです。

その中でもツイストウェイトは、左右のオフセンターで面が回されにくいかにかなり関係します。

いただいたデータを見る限り、ツイストウェイトは14.5前後が標準的で、15.0を超えると安定感が出やすい側、13台だとシビア寄りと考えやすいです。

ただし、ツイストウェイトが高ければ何でも良いわけではありません。
高すぎると操作性が落ちたり、振り抜きが重くなったりします。

なのでラケット選びの基本は、こう考えるのがよさそうです。

求めるもの見るべきポイント
芯で打つ気持ちよさ95〜98インチ、操作性、打感
実戦の安定感98〜100インチ、ツイストウェイト、SW
リターンの楽さフェイスサイズ、ツイストウェイト、SW
ボレーの安定感ツイストウェイト、重量、面の安定性
振り抜き重量、バランス、SW
腕へのやさしさRA値、ストリング、テンション

現状のラケットが好きだけど、少し面ブレが気になる。
その場合は、まず3時・9時に1.0gずつ、変化を見たいなら1.5gずつ貼ってみるのが現実的です。

それで足りなければ、よりツイストウェイトの高いモデル、あるいは100インチ寄りのラケットを検討する。

この順番が、かなり失敗しにくいラケット選びだと思います。

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この記事を書いた人

テニス歴3年・スクール中級者。

※本記事は一般プレーヤーが公開文献をもとに独自にまとめたものです。
専門的なご指摘はコメント・お問い合わせからお待ちしております。

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